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3
Feb

”蝶々夫人について” ~初演とその成り立ち・音楽のことなど~

~~~私たちの蝶々夫人のサイトにきて下さって、ありがとうございます。~~~
今回、コミュニティオペラは、マダムバタフライを公演する運びとなりました。
~~~蝶々夫人のイベントに参加出来とても嬉しく思います。~~~

蝶々夫人は、始めジョン・ルーサー・ロングが1897年に小説を発表。
アメリカ雑誌センチュリーマガジンに翌年掲載され、2年後雑誌を見たデイビッド・べラスコが、演劇台本へ戯曲化しニューヨークで成功、ロンドンで上演し、さらにこれに目をつけた、プッチーニが、べラスコに説得をかさね、この時代最高のオペラ台本作家のルイージ・イッリカとジュゼッペジャコーザによってオペラ台本化され、ジャコモ・プッチーニが、1904年までに製作し音楽を付けたものです。

G.プッチーニは、多くのオペラ作曲家の中でも、とりわけ台本の韻律と、メロディーを合わせるのが突出して優れた作曲家です。
例えば、モーツアルトのアリアより、韻律とアリアのメロディーの関係は優れています。
台本は現代以前は、11音節の韻律でかかれているもので、場合によって5、6、7、9音節を使い分けますが、この時代はリコルディ社も言うように、台本作家が非常に優れています。
プッチーニオペラのイッリカやジャコーザの歌詞をそのまま読む場合、すでに曲のリズムになっている場合が多く、台本作家が製作したリブレットのリズムをプッチーニが素材として最大限生かしている点にも非常に感動します。
たとえば、皆さんご存知の、ボエームのミミのアリアはその中でもよく出来ていて、台本のリズムとメロディーのリズムを、限りなく相似させるように、整えています。
台本の2人は有名な当時の台本作家で、イッリカが言葉を詩的に(アリアにあうような雰囲気のことばで書く)プロでした。
このように、有名なアリアは、非常に手がかけられ、詩のリズムが既に素晴らしい場合が多いです(例えば、リゴレットのアリアも同じく!!”ラ・ドンナ・エ・モービレの6音節詩”)

プッチーニはイタリアから見た、中国や日本など、オリエント情緒をオペラに持ってくるのに成功した作曲家でもあります。1900年代初め、印象派や、日本が2回参加した万博(パリ万博)など、東アジアへの憧憬が欧米で深まり、当時東洋といえば、モードだった訳です。
オペラ音楽ではトゥーランドットや、蝶々夫人が代表的となりました。
私たちは、蝶々夫人のオペラの中で、”さくら”、日本の国歌、邦楽曲のメロディーを聞く事が出来ます。プッチーニはあちこちの曲から、日本をちりばめたようです。
見た目では今回のコミュニティオペラでは、全員がコスチュームとして本物の着物を着て 日本髪を結うことになっており、まさに見た目でも日本をちりばめる予定です。
近年、イタリアの野外劇場で蝶々夫人が上演された際、月が昇ってさらに日本的だった事があるようですが、このように、”日本的なものというひとつのブランド”は、現代においてもとても面白いものだと思います。

さて、プッチーニに戻りますが、プッチーニはオペラを書く場合、可憐で若い悲劇におちいってしまうキャラクターをとても大事にします。
コメディオペラにおいても可憐で若い女性、トスカ、トゥーランドットではリュー、ボエームのミミ等。
蝶々夫人は、日本の封建的な美徳も表した雰囲気の中で、さらに悲劇におちたヒロインを、構成しています。
プッチーニはそれまでの有名オペラ作曲家、ロッシーニなどと違って異国情緒を書く際、単なる憧れや面白さのみとしての素材でなく、特に随所丹念に調べた上の、リアリティ探求の作曲家である為、合唱部分は、日本らしい雰囲気が、他の作品に比べてよく出ています。

しかしながら、面白いのは、有名なこのオペラも、スカラ座で初演した際、日本風の衣装、いろいろな部分の練習が、歌手たちにはむずかしく、プッチーニ自身がなだめながら進めたという面白い逸話があることです。イタリア人達がいくらスカラ座の大プロ達であったとしても、1900年入ってすぐに突然日本の物語を演じるのは衣装なども、とても大変だったと思います。

蝶々夫人が、1900年代の作品にしては、非常にリアルな部分が多く、何かとリアリティに満ちている理由は、この作品がアメリカ・イギリスでかなり演劇で成功をおさめ、演劇台本としてかなり、手が加えられていた点があげられるでしょう。
ヴェルディがシェイクスピアの台本にオペラをつけていることからもわかるように、演劇・ドラマ・台本という土台に、既に歴史があるという蝶々婦人の個性が感じられると思います。

今回はコミュニティオペラという事で、日本庭園での演奏を目標に、コスチュームの着物など、多くのかたがたのご支援を得て、バタフライ上演に取り組んでいます。わたしたちも、日本的なものをよくみつけながら、ぜひ面白い舞台にしたいと願っています。

では、お楽しみに。

今年からアメリカでオペラを勉強しています、今回は合唱に参加させて頂きます。

下崎響子