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31
Dec

オペラブログー自由気ままにオペラその1 by ネコママ

オペラと聞いて“面白そうだけど、よくわからない”と思ってしまう方は大勢いらっしゃると思います。実は私もその一人でした。でもよく解らなくても、聞いていると、またはオペラハウスに足を運ぶようになると楽しみが解ってくるというのがオペラというものだと身をもって経験しました。例えば“ああ、ブレスはここでしたら全然このフレーズが生きてこない”とか“あそこの最後のキーは譜面通りじゃないな”とか最初からいろいろ考えなくても楽しめるのです。でもやはり観劇するにあたっては予習をしておくと、おかないのでは楽しめるレベルが変わってくるのも事実というところ。この場合の予習とはあらすじ、注目のアリア、デュエット、重唱などを聞いておく事、になりますが、私はなるべく時間がある限りDVDを見ておくようにしています。なぜかというと、時々有名なアリア以外に美しい場面、音楽を発見することがあり、それが楽しみなのです。

このブログで少しでも読んでくださる方(特に初心者の方)にオペラの楽しさが伝わればいいな、と思い今回はヨーロッパのオペラハウスの経験談ををもとにブログを進行させていただく予定です。それではますオペラの黄金時代に輝かしい歴史を築いたオペラハウス、イタリア、ミラノにあるスカラ座から始めさせていただきます。

スカラ座というと、ヴェルディが“ナブッコ”をここで初演し、当時オーストリア支配下のイタリアで大絶賛をうけ、囚われているユダヤ人が祖国を思い歌う合唱は特に抑圧されているイタリア人の共感を呼び、イタリアの統一運動とも連動したことで有名です。指揮者では特に有名だったのはアバド、ムーティで彼らの時代はスカラ座は最高峰の上演をするということで評価をうけていました。私がスカラ座に観劇に行きましたのは数年まえの夏でしたが、猛暑で日中は日が照りつけていて、歩くのもちょっと苦しいという状態でした。でも7時ごろになり、少し涼しくなってくると、どこからともなくサテンのドレスを装った女性たちがスカラ座の前に現れはじめるのです。夏だったのでみなさんカラフルでアクセサリーもちょっと大胆なもの、靴はハイヒールにアクセサリーがついてるものにクラッチバックとおしゃれ心たっぷりで、さすが、ファッションの国イタリアです。男性も少し細身のテーラードのジャケットに細身のネクタイをしている方や、ミラノ風、粋なくずし方をしてシャツの柄が変わったものや、全然違う素材のパンツ、ベルトで合わせている方など見ていて楽しい限りです。スカラ座のとなりにはスカラ座のミュージアムがあり、昔の歌手の衣装や、観客の衣装(羽のついた小さなうちわ、仮面舞踏会のようなマスクもありました)オリジナルの譜面、などなどたくさん興味深いものがあります。

オペラハウスの中に入ると、まずはドリンク、ということでみなさんバーカウンターでシャンペンなど注文されています。このバーはBALL ROOMと隣接していて、というかその一部になっている形で昔はここで、観客はSOCIALIZEしたりDANCEしたりと楽しんだのでしょう。大きな鏡やかわいいアンティークのソファなどがところどころにあり、みなさん談笑しています。

この日観たのはヴェルディの後期の作品“アイーダ”でした。古代エジプトが舞台で恋愛関係にある、エジプトの武将ラダメスと奴隷アイーダ(実はエジプトの敵国エチオピアの王女)、ラダメスに恋するエジプトの王女アムネリスとの三角関係に政治的策略、対立、葛藤がからみスケールの大きな舞台になっています。私はこの日席が上のほうであまりよく見えないかもしれないと心配でしたが、劇場自体は割りとこじんまりしていて、馬のひづめの形に客席が配置されており、私たちが座ったのは3階の前のほうでしたが十分舞台はよく見ることができました。各座席の前の部分にスクリーンがついており、英語で字幕がみることができます。スカラ座の劇場の中はとにかくベルベットのカーテンをふんだんに使って、そのカーテンにもいろんなディティールがついているので劇場自体がまるで華麗なドレスのようになってます。このオペラで私が注目するのは王女役アムネリスで、この役のできによってかなり話の深さが変わってきます。しかし今回はアイーダ役のほうが勝っていて、最後のラダメスとのデュエット“大地よさらば”は特にすばらしかったです。このとき舞台は上下二段に別れていて地上で嘆き悲しむアムネリスと地下で一緒に幸せを感じながら死んでいく、ラダメスとアイーダの対比がよく解るように演出されていました。オケもしっかり重厚でまとまった音を出していて、2幕のスペクタルのシーンではバレリーナ達が美しいバレエをみせてくれました。音楽は1幕からエジプトのエキゾチックなフレーズが流れ、このフレーズはところどころで何回も出てくるのですが、聞いているほうに違うディメンションを感じさせてくれます。

次回はスイス、チューリッヒオペラハウスのエピソードになります。次回はもう少しオペラの内容にふれる形で進行します。