2011年 蝶々夫人 あらすじ

あらすじ

 

【第1幕】

時は1890年代。舞台は長崎の港を見下ろす丘に立つ家。アメリカ海軍の戦艦アブラハム・リンカーン号所属の海軍士官として日本に赴任したピンカートンは、結婚仲介人ゴローの斡旋で、少女蝶々さんを現地妻として選んだ。そこへ駐長崎領事のシャープレスが登場。ピンカートンはアリア「ヤンキーは世界のどこへ行っても」を歌う。シャープレスは、ピンカートンが選んだ少女が純粋にこの結婚が永久の絆であると堅く信じていることを思い、ピンカートンの意図に懸念を表すが、蝶々さんを得たことに高揚しているピンカートンはシャープレスの危惧にも耳を傾けない。

そこへ蝶々さんが、母親、叔母。従妹、芸者仲間とともに現れる。シャープレスが少女に身の上を問うと、蝶々さんはまだ15歳であり没落士族の家の出であると答え、父から受け継いだ切腹のための刀の入った箱を見せ。またキリスト教に改宗したことを告げる。結婚の儀式が済んだ頃、蝶々さんの叔父のボンゾが突然現れる。ボンゾは蝶々さんの改宗を怒って詰問し、怖れをなした披露宴の客達は、蜘蛛の子を散らすように逃げ帰ってしまう。ピンカートンはボンゾを追い払い、悲しむ蝶々さんを慰め、二人はここで愛の二重唱「私を愛して下さい」を歌う。

 

【第2幕】

結婚式から3年が過ぎた。ピンカートンは任務が終わり、「コマドリが巣を作る頃には帰ってくる」と約束して、アメリカ合衆国に帰ってしまっていた。蝶々さんの生活も財政的に苦しくなっていく。蝶々さんの忠実な下女スズキはピンカートンはもう帰って来ないのではないかと心配するが、ピンカートンを信頼する蝶々さんはスズキの疑いを諌め、ピンカートンに対する変わらぬ愛と信頼を訴えるべく、「ある晴れた日に」を歌う。

その頃、シャープレスはピンカートンに頼まれて、彼がアメリカ本国でアメリカ人女性と結婚したことを蝶々さんに告げるために、ピンカートンからの手紙を携え、蝶々さんの家を訪ねて来る。しかし蝶々さんの夫への信頼を見た彼は、蝶々さんに真実を告げることはできない。

そこへゴローが裕福な紳士ヤマドリ公 を連れてやってくる。ヤマドリ公は蝶々さんに結婚を申し出るが、夫からの手紙に喜んでいる蝶々さんはその申し出を断る。ゴローとヤマドリ公は立ち去る。

やっと二人になったところでシャープレスはピンカートンの手紙を読みはじめるが、蝶々さんがあまりにもひたむきにピンカートンの帰りを信じており、二人の間にできた3才の子まで見せられ、シャープレスは手紙も最後まで読むことがでず、真実も告げるられなくなってしまう。「ピンカートンが帰ってこなければどうするのか?」とシャープレスに尋ねられた蝶々さんは、芸者に戻るか、自刃するしかないと答える。シャープレスが「ヤマドリ公の申し出を受けてはどうか」と勧めると蝶々さんは、その可能性を否定し「子供のために芸者に戻って恥を晒すよりは死を選ぶ。」と答える。シャープレスはなす術も知らず退場する。

スズキは蝶々さんの悪評を広めているゴローを制裁する。その時遠くにピンカートンの所属艦アブラハム・リンカーン号の到来を礼砲が高らかに鳴る。船を望遠鏡で見つけた蝶々さんとスズキは喜び、家を花で飾り、「花の二重唱」を歌い、ピンカートンの帰りをひたすら待つのであった。

 

【第3幕】

蝶々さんは一晩中寝ずにピンカートンを待っていたが、彼はとうとう現れなかった。朝、蝶々さんが子供と寝室で休んでいると、ピンカートンとその妻ケート、そしてシャープレスが 訪ねて来て、スズキに真実を告げる。スズキから蝶々さんの思いを訴えられたピンカートンはいたたまれなくなり、アリア「さらば愛の巣」を歌いその場から立ち去る。 スズキは、激怒したものの、シャープレスから、蝶々さんが子供を渡してくれれば、ピンカートンとケートがその子を養育するということを聞き、蝶々さんと子供のためにはそれが一番幸せな道だと思い直す。

ピンカートンに会えると思い、幸せに満ちて登場した蝶々さんはピンカートンの代わりに彼の妻ケイトを見つけすべてを悟る。蝶々さんは丁重にケイトに対応し、子供を預かるというケートの申し出に対し、ピンカートンが直々迎えに来るならわが子を渡すと宣言する。

蝶々さんが仏壇の前に座り、父の遺品の刀を取り出した時に、蝶々さんの幼い息子が走り寄って来る。蝶々さんは子供を抱きしめアリア「さよなら坊や」を歌った後、自害を企てる。ピンカートンが異変を察して自害を阻止すべく走り寄るが、時既に遅し。蝶々さんは、ピンカートンの腕に抱かれて息を引き取るのであった。